レッツ・プレイ・ジャズベース!

ジャズといえばウッドベース、ですが、わけあってエレキベースで挑戦。ベースやるならウォーキングベース、ベースといえば4ビート!

2011/07 | 12345678910111213141516171819202122232425262728293031

このブログで「枯葉」などの
ジャズスタンダード曲を扱うときにいつも悩むのが、
曲のコード進行を載せていいものかどうかということです。
もちろん、著作権の問題なのですが。

洋書の教則本だと「similar to Autumn Leaves(『枯葉』と同様の」)、
日本の教則本だと「『枯葉』と同様のコード進行」といったふうに記述して、
メロディは載せずにコード進行だけを載せるということで、
著作権問題をクリアしているようです。

あの偉大なるビバップの創始者チャーリー・パーカーですら、
「インディアナ」のコード進行を使って「ドナ・リー」を作曲し、
「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」のコード進行で「オーニソロジー」を、
「チェロキー」のコード進行で「ココ」を作っています。
つまり、コード進行だけ利用して別のメロディを作ってタイトルを変え、
著作権問題をクリアしたということになります。

「チェロキー」と「ココ」の比較
ココ
(上の「チェロキー」の譜面は「ジャズ・スタンダード・バイブル」のもの。
すごく見やすいです)

コード進行の著作権というのは
かなり微妙な問題を秘めているような気がします。
メロディを載せさえしなければ、
これは違う曲だとして別のタイトルをつけるか、
あるいは曲名を明記しないようにすることによって
クリアできるということでしょうが。

しかし、それをインターネットにそのまま適用してもいいものか。

まあ、とにかく、ジャズスタンダードのコード進行が
いつでもチェックできるように、
また偉大なる作曲者たちに敬意をこめて、
各自少なくとも1冊はジャズ・スタンダード曲集を持っているにしくはなし、
ということではあるでしょう。

X十年前は、1001(センイチ)と称される
海賊版のジャズスタンダード曲集が出回っていて、
御茶ノ水あたりの楽器屋で密かに売買されているのを手に入れていました。
ただ、コード進行がよくないので、
結局、ちゃんとしたコードを知っている
音楽仲間に書き写させてもらったものです。

1001とタイトルのつけられた正式の(?)海賊版も持っていたのですが、
友人に貸したまま消失してしまいました。
現在手もとに残っているのは、
タイトルも何も書いてないさらに怪しい〝1001〟だけです。

センイチ01
(薄汚れていて、ただのゴミにしか見えません)

センイチ02
(中の譜面はまだちゃんと読めます)

今ではりっぱな市販のジャズ・スタンダード曲集が簡単に手に入ります。
しかし、残念ながら、コード進行がいいものは昔と同様あまりなくて、
実際のジャズの演奏現場で使われないようなコードが
載っているものが多いようです。

そんな中、去年ついに出たのが「ジャズ・スタンダード・バイブル」
(納浩一編 リットー・ミュージック)です。
かなり評判がいいので、ご存じの方も多いことでしょう。
この「ジャズ・スタンダード・バイブル」には、日本初といっていいでしょうが、
ジャズメンが現場で使うコード進行が載っています!
今までなかったのが不思議なくらいの本物のジャズ楽譜集です。
どうせなら最初からいいコード進行を覚えるに越したことはありませんよね。
(楽譜集なのですから、余計なCDを付けないで値段が安ければ、もっといいのですが)


ジャズ・スタンダード・バイブル ~セッションに役立つ不朽の227曲 (CD付き)ジャズ・スタンダード・バイブル ~セッションに役立つ不朽の227曲 (CD付き)
納 浩一

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*『ジャズ・スタンダード・バイブル』の初版には誤植があるそうです。
自分の版を見てみたら、確かに間違っていました。
リットーミュージックのこちらでチェックを。

関連記事
前回ジャズベースのアドリブの3つの方法を紹介しましたが、
もう一つ簡単そうな方法を見つけました。

「ジャズ・ウォーキング・ベースのススメ」(大戸幹夫編著 ヤマハミュージックメディア)
というジャズベースの入門教則本に載っているのですが、
4ビートのウォーキングベースラインを利用して
ソロをとってしまう便利な方法です。

ウォーキングベースは基本的に1小節に4分音符が4つあります。
この4分音符のベースラインを音の高さはそのままで
(ウォーキングベースラインがC、D、E♭、Eなら、そのままC、D、E♭、E)、
4分音符を8分音符や1拍3連、あるいは2分音符といったふうに長さだけ変え、
あとはうまく休符をつかってソロを作ってしまうのです。
(多少の音の増減は自由)

この本では、Cのブルースを題材に実例をあげています。

ウォーキングライン

上のようなシンプルな4ビートのベースラインを基に、
音符の長さを変え休符を使い、
下のようになかなかカッコいいソロにしあげています。

アドリブソロ



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ジャズベースの勉強というと、どうしてもウォーキングベースの習得が中心になって、
アドリブソロの練習は怠りがちになります。

あの巨匠レイ・ブラウンですら、
「僕はそれほどソロというものに関心がないんだ。僕がより興味を示してきたものは、
ビート、タイム、それにひとつひとつの音の選択だ」と語っています。
JAZZBASS 2008 (SAN-EI MOOK)のインタビューより)

それでも、アマチュアとはいえ、
たまにはベースソロをとる機会もあるので、
少しは勉強しないわけにはいきません。

「ジャズ・ベース・ナビゲーション」(須長和広著 リットーミュージック・ムック)
というジャズベースの入門教則本に、
ジャズベースのアドリブの方法が載っているのですが、
うまくまとめられていてとても参考になります。

■Fのブルースを題材に、これだけ知っておけばひとまず大丈夫という
3つのアプローチ法が紹介されているのです。

1、コード・トーンを使う
コードの構成音をうまくつないでソロをとるという方法です。
普段からコードトーンを中心にウォーキングラインを作っている
ジャズベーシストにとっては、
このやり方が一番簡単でやりやすいかもしれませんね。
CDのお手本のようにシンコペーションや休符を上手に使えば、
カッコいいソロも可能になりそうです。

アドリブソロ01


2、ペンタトニック1発
たとえば、ペンタトニック・スケール1発で通してしまうのです。
この本では、マイナー・ペンタトニック・スケール(1、♭3、4、5、7)に
♭5を加えたブルース・スケール1発でのソロが紹介されています。
少ない音でもモチーフを発展させながら徐々に盛りあげていこうという手法です。
しかし、音は少なくて単純でも、
うまく進行感を出しながらソロをとるのはかえって難しかったりしますね。

アドリブソロ02


3、ジャズならではの難しいスケールを使う
7thコードで、ミクソリディアンを初め、オルタード、Hmp5↓、
コンビネーション・オブ・ディミニッシュなど、
さまざまなスケールを臨機応変に使うというスタイルです。
これこそが正統派ジャズの手法でしょうが、
ジャズの理論の勉強も必要ですし、ベースの運指も複雑になるので、
身につけるのはなかなか大変そうです。

アドリブソロ03


なお、コードトーンやスケールを調べるときには、
無料でベースのコード&スケールをチェック&印刷
紹介したfretboard printerが便利ですよ。


ベース・マガジン スイスイ弾ける! ジャズ・ベース・ナビゲーション 定番コード進行&ライン・アプローチ・ガイド(CD付き) (リットーミュージック・ムック)ベース・マガジン スイスイ弾ける! ジャズ・ベース・ナビゲーション 定番コード進行&ライン・アプローチ・ガイド(CD付き) (リットーミュージック・ムック)
須長 和広

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オンライン・ベース・レッスンのサイトStudyBassでは、
ベース用の白紙の譜面を印刷して使えるpdfファイルを無料で提供しています。
英語ではBass Clef、つまりへ音記号の譜面です。

このサイトのmusic paperのコーナーにあります。

最初から小節の縦線が入っている譜面
(Printable Bass Clef Staff Paper with Barlines)、
標準的なジャズスタンダード用に1ページが32小節になっている譜面
(32-Bar Form Bass Clef Staff Paper) 、
タブ譜付きの譜面(4弦用4-String Bass Tab Paperのみならず、
5弦用、6弦用も)など、
さまざまな種類が揃っていて、用途に応じて使い分けられます。

ギター用とピアノ用の譜面もあります。

白紙の譜面が必要な人はぜひ利用してみてはいかがでしょう。

StudyBassというオンライン・ベース・レッスンのサイトで、
無料でベースのコードとスケールを調べてチェックしたり、
印刷したりできます。

このサイトのfretboard printerのコーナーです。

使い方は簡単です。

freatboardprinter
(クリックで拡大)

コード・トーンをチェック&印刷する場合
1、Fretboard Printerの上にあるchordをクリックして選ぶ
(選択すると緑色に変わります)

2、root(ルート音)を選ぶ。
selectをクリックすると、上のほうにルート音がずらりと並ぶので
目的のルート音をクリック。
すると、選択したルート音が緑色で表示される。

3、chord(コードの種類)を選ぶ。
コード選び
(クリックで拡大)
selectをクリックすると、上のほうにmajor7thとかdominant7thとか
コードの種類がいろいろ並ぶので、目的のコードをクリック。
すると、コード・トーンの位置がわかるダイアグラムが表示されます。

ここまででコード音のチェックはできますが、印刷したい場合は──

4、printをクリックして選択(緑色に変わります)。
すると、下のほうにprintという文字が出てくるのでそれをクリック。
印刷
(クリックで拡大)


*標準のダイアグラムのフレット数は15フレットになっているので、
変更したい場合はdiagramをクリックして変更してください。
**inst(楽器)で、4弦ベース以外にもさまざまな楽器を選べます
(5弦ベース、6弦ベース、ギター、バイオリン、ビオラ、チェロ、マンドリン、
ウクレレ、バンジョー……)。


スケールをチェック&印刷する場合
Fretboard Printerの上にあるscaleをクリックして選択しますが、
手順はコードの場合と同じです。

1、Fretboard Printerの上にあるscaleをクリックして選ぶ

2、root(ルート音)を選ぶ。
スケールのルート音
(クリックで拡大)

3、scale(スケールの種類)を選ぶ。
スケール選び
(クリックで拡大)
selectをクリックすると、上のほうにdorianとかmixolydianとか
スケールの種類がいろいろ並ぶので、目的のスケールをクリック。

4、printをクリックして選択。
下のほうにprintという文字が出てくるのでそれをクリックする。

*ただし、日米の用語に違いがあるのでご注意を。
たとえば、日本で使われている
コンビネーション・オブ・ディミニッシュ(コンディミ)というスケール名は、
アメリカではあまり使われていません。
日本でコンディミと称されているものは、
アメリカでは、half-whole diminishedといったふうに表記されることが多いようです。
ふつうのディミニッシュのスケールは whole-half diminishedです。
〝コンビネーション・オブ・ディミニッシュ(ディミニッシュの組み合わせ)〟では、
どっちがどっちだかわかりませんからね。
このFretboard Printerでは
diminished hw(半音‐全音)、diminished wh(全音‐半音)となっています。

また、オルタードはsuper locrian、
Hmp5↓(ハーモニック・マイナー・パーフェクト・フィフス・ビロウ)は
phyrgian dominantとなっています。